すんき漬けは赤かぶの葉を乳酸発酵させて作られたお漬物で、長野県の木曽地方に古くから伝わる保存食の一つです。
「すんき」とも呼ばれています。
すんき漬け 作り方・特徴
すんき漬けの特徴はなんといっても、その面白い作り方にあります。すんきを漬けこむ時期は毎年11月下旬ころ。漬物といっても食塩も砂糖も一切使用せず、植物由来の乳酸菌で発酵させていきます。
地元で収穫した赤カブの葉(カブ菜)と、すでに漬物になっているすんき漬け(すんき種)を使用します。なんだか伝統のタレやスープを引き継ぐ、といったイメージです。
カブ菜をきれいに洗った後にすんき種を混ぜ込み加熱し、生きた乳酸菌を自然の力で発酵させます。半月~1ヶ月ほどで発酵が進み、酸味がちょうど良い頃になってからが食べごろです。乳酸菌の含有量は、ヨーグルトと同等かそれ以上とも言われています。
乳酸菌発酵で作られているため、「とっても酸っぱ~い」漬物です。一般的な漬物の概念を越えた、全国的にも珍しい味わいのお漬物です。
すんき漬けはかぶ菜を乳酸菌で発酵させた独特のすっぱい無塩のお漬物ですが、どうしてこういった作り方になったのでしょうか?
それは今とは違い昔は塩はとても貴重なものでした。特に長野は海のない県ですから、「米は貸しても塩は貸すな」という言葉があったくらい塩が大切だったのです。すんき漬けはそんな木曽地方で考えられた、先人の知恵が生んだ発酵食品・保存食品なんですね。
すんき 美味しい食べ方
すんき漬けは基本的に塩を使わず乳酸発酵させて作られているため、とても酸味が強い味です。ご飯のお供に食べるのももちろんですが、チャーハンやカレーなどの添え物として人気です。
また、信州木曽ではすんきを現地産のそばに乗せた「すんきソバ」が名物となっています。 すんきの酸味と蕎麦つゆのコクがまろやかにマッチした伝統の組み合わせです。
長野のすんき漬けが買える通販
◎信州木曽「すんき名人」による手作りすんき。塩分を一切使わない植物性乳酸菌発酵・無添加の漬物
◎すんきと信州そばの「刻みすんきそばセット」
◎かぶ菜を丸ごとひと株漬け
※参考文献:小泉武夫著「漬け物大全」、小川敏男著「漬物と日本人」
※参考文献:漬物同好会「諸国漬物の本 風土が生んだ逸品を訪ねて」
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