秋田県の特産漬物【いぶりがっこ】雪深い地ならではの燻したお漬け物

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寒さが厳しい東北地方は「漬け物王国」とも言えるほど漬物が発展している地域ですが、中でも有名な漬け物が秋田県名産の「いぶりがっこ」です。

大根を囲炉裏の天井につるして煙でいぶし干しにして、それを糠漬けにしたもので、独特の歯ごたえといぶし香があります。燻製にする点を除けば沢庵漬けと似ています。

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雪深い地ならではの漬物、いぶりがっこ 歴史・由来

いぶりがっこの発祥は秋田県横手市と言われ、県南地区を中心に古くから伝わっているお漬物です。「いぶりがっこ」は、漬物用の干し大根が凍ってしまうのを防ぐため、大根を囲炉裏の上に吊るして燻し、米ぬかで漬け込んだ秋田の伝統的な漬物です。いぶりがっこは雪深い土地ならではの保存食なんです。

ちなみに、「いぶりがっこ」の「がっこ」とは「お漬け物」という秋田の方言で、いぶり(燻った)がっこ(お漬け物)「いぶってあるお漬け物」という意味です。

いぶりがっこ発祥の地といわれている横手市では個人の生産者が多数を占めており、生産者自ら原料となる大根を栽培し「いぶし小屋」と呼ばれる専用の小屋で大根を燻します。

横手市山内地区では、11月から12月にかけて「いぶし小屋」から煙が立ち上る光景があちらこちらで見られるようになり、横手市の原風景のひとつとなっています。

いぶりがっこといえばほぼ大根で作られていますが、最近では人参などを使ったいぶりがっこも見られます。

※参考文献:小泉武夫著「漬け物大全」、小川敏男著「漬物と日本人」
※参考文献:漬物同好会「諸国漬物の本 風土が生んだ逸品を訪ねて」

いぶりがっこが地理的表示(GI)保護制度に登録された

令和元年5月8日、「いぶりがっこ」は国の地理的表示(GI)保護制度に登録されました。(農林水産省:地理的表示(GI)保護制度のページ

GI保護制度とは、地域に根ざした産品の名称を保護する制度のことで、この制度に登録されてGIの基準を満たしたものだけが、原則「いぶりがっこ」の表示ができることになるんです。

GIいぶりがっこの主な基準

ではGIの基準とはいったいどのような物なのでしょうか。それは次のような基準を満たしたものだけが「いぶりがっこ」の表示をすることができます。

秋田県いぶりがっこ振興協議会の会員(秋田県漬物協同組合、秋田いぶりがっこ協同組合、横手市いぶりがっこ活性化協議会 傘下の生産者)が生産している。

・生産地は秋田県内

・国内産の大根の使用

・ぬか床に40日以上漬け込む

・着色料(食用黄色4号、食用黄色4号アルミニウムレーキ)、保存料(ソルビン酸)、甘味料(サッカリン)などの指定添加物を使用していない

こういった事をきちんと定めることによって、生産者自ら産品の価値を再認識することで生産者の増加が図られ、郷土食としての「いぶりがっこ」が次世代へと受け継がれることが期待されますね。

※参考:横手市HP

いぶりがっこ 美味しい食べ方

いぶりがっこの美味しい食べ方として、最近ではいぶりがっこのスライスにクリームチーズやポテトサラダを添えるメニューが居酒屋などでも人気となっています。

スモーキーな味わいがクリームチーズやポテトサラダと一緒に食べることによってまろやかさが加わり、お酒のつまみとしても合う一品となっています。

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