漬け物に含まれる栄養は?発酵有り無しで違う

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漬け物の栄養と言えば植物性乳酸菌が代表的な物として挙げられます。

ただし漬け方によって発酵を伴わないお漬物もあり、全てのお漬物=発酵食品としての栄養価が期待できる、というわけではありません

乳酸菌の栄養を持っている漬物は「ぬか漬け」を代表とする「一定期間乳酸発酵させた漬物」であって、「浅漬け」「一夜漬け」といった種類のお漬物はつけ時間が短く乳酸発酵させていないので、そういった栄養価は期待できません。

ただ浅漬けなどの発酵していない漬物ももちろん、その野菜自体の栄養(ビタミン類など)や食物繊維は摂れます。塩でもんだり調味液につけることによって野菜のカサが減り、生のままだと少量しか食べられない野菜も、量を食べやすくなるという利点もあります。

ここでは乳酸発酵させたお漬物の代表格である「ぬか漬け」の栄養を紹介しています。

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ぬか漬けの栄養

ぬか漬けは栄養満点のお漬物ですが、その秘密は「ぬか」にあります。

「ぬか漬」のぬかとは「米ぬか」のことで、玄米を精米するときに出る米の外皮です。そのぬかに、水や塩を加えて混ぜ合わせたものが「ぬか床」になります。

その中で乳酸菌や酵母などの微生物が増殖を繰り返し、栄養たっぷりの土台「ぬか床」が出来上がり、その中に入れられた野菜は、ビタミンB1や乳酸菌たっぷりのお漬物になります。

ぬか漬けの栄養を見てましょう。

ビタミンB1

ぬか床の「ぬか」にはビタミンB群が多く含まれています。
野菜をぬかに漬けることによって、「ぬか」の栄養分が吸収され、ビタミン含有量が増えるのです。

例えば、きゅうり(100gあたり=約1本分)に含まれるビタミンB1(0.03mg)はぬか漬けにすると約10倍(0.26mg)に増加します。

ビタミンB1は、水溶性のビタミンB群の一種で、疲労回復のビタミンとも呼ばれています。 炭水化物 (糖質)の代謝を促すため、白米を主食にしている日本人にとって必要な栄養素です。 また、エネルギーをつくる手助けをすることで、神経や筋肉の機能を正常に保つ効果があります。

(参考:文部科学省 食品データベース)

ビタミンE

ビタミンEは、強い抗酸化作用をもつ栄養素です。老化の原因となる活性酸素から身体を守るはたらきをしてくれるので、アンチエイジングにもいいですね。

また、血管を健康に保ったり、赤血球の破壊を抑制したりする作用なども特徴です。

植物性乳酸菌

乳酸菌は腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整えるはたらきをしてくれます。

ぬか漬けに多く含まれる「植物性乳酸菌」は「動物性乳酸菌」よりも強く、胃酸や胆汁酸にも負けずに腸に到達する可能性が高いという特徴があります。

便通対策をはじめ、コレステロールを下げる作用、免疫力を向上させるはたらきなどがあるといわれており、人体に有益にはたらくことから「善玉菌」とも呼ばれています。

γ-オリザノール、イノシトール

γ-オリザノールは米ぬかに多いポリフェノールの一種で、米油に含まれています。高い抗酸化力があるとされている成分です。

血行を良くして、善玉コレステロールを増やすはたらきがあります。また、自律神経のはたらきを助ける作用、脳の機能の改善等に役立つ成分でもあります。

イノシトールは体内で筋肉や神経細胞に多く存在しています。コレステロール、脂肪肝、動脈硬化にアプローチする健康的な生活のためにはたらいてくれる大切な成分です。

ぬか漬けは野菜の栄養価を高めてくれる

野菜をぬか漬けにすることによって、生のままの状態よりもグンと栄養を高めてくれます。

例えば夏の野菜、きゅうり。きゅうりの成分と言えばほぼ水分で、少量のカリウムやビタミン類が含まれているだけです。

それがぬか床に漬けると、ビタミンB1は生のときの約9倍!にもなり、カリウムは約3倍、ビタミンCは約1.6倍にもなるのです。

カリウムは利尿を促進する作用、ビタミンCは免疫力を高め疲労を回復する効果が期待できますから、暑い夏バテの時期にぴったりの食べ物になります。

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